skoharaの日記

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テンペスト

テンペスト 上 若夏の巻

テンペスト 上 若夏の巻

池上永一はシャングリラでどんなものかはわかっていましたが、テンペストもやはりそんな感じ。これは大河小説でありながら良くも悪くもマンガであり、初めて池上を読む人にとっては途中で「なんだこれ」と思ってしまう(特に本の装丁と帯だけ見て買ってしまった人とか)。

ストーリーは今時ジャンプでも無いぐらい波瀾万丈すぎだし、キャラもたいていのラノベが吹っ飛ぶぐらい濃い。というか濃すぎる。「純」の方の文学が好きな人には嫌悪感が出てしまうノリ。

しかし・・それが最後には突き抜けて独特の感動を呼ぶのが池上永一。シャングリラもそこを越えたところの壮絶さはすごかった。このテンペストもやっぱり最後はいい。今までのハチャメチャさがあるからこその寂寥。こういうのはしみますね。

琉球王国とかあんまり興味なくても是非読むべし。これでしか味わえないテイストがあります。あと幕末が舞台なんでなんとくなくだけど池上版「篤姫」という感じもしました。

シャングリラとの対比で言うと、やっぱり歴史小説なのであそこまで爆発はしてないです。でも、歴史小説でここまで出来るのはすごいとも言えます。むしろ、バランスが良くなってこっちの方が私は好みですね。

角川の特設ページもあり。
http://www.kadokawa.co.jp/tempest/

普段小説とか止まない人ほどむしろおすすめ。