skoharaの日記

日々のいろいろ

赤い星

赤い星 (ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション)

赤い星 (ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション)

江戸+帝政ロシア+ネット社会、となると歴史改変?ものかとなるのだけど、「ネット技術のみがいびつに発達」とかは普通に改変されてもあり得ない世界なので(^^;、やはりこれはそのような世界の雰囲気を楽しむ話、ととらえるべき。

そして、それは成功していて他に無い魅力的な世界が出現している。どうしてこんな世界になったのか、とかそういうことはこの本のテーマではなくて、こんな世界を楽しんじゃおうというノリが重要。

最後にどんでん返しが、とかストーリー的なものよりもこの独特な世界にどっぷり浸って読書時間を楽しむのが吉。歴史的な前後関係とかもあえて無視しているけど、その無視の仕方は歴史を知っている方が楽しめるというのもまた面白い。SFというよりは幻想小説ディファレンスエンジン的な部分もあるけど、もっとハチャメチャで面白い。けど、最初からそういう話だと思って読まないと(ストーリー的な部分を期待してしまうと)きついかも。そういうのは個人的には好きとは言えない種類だけど、これは面白くて一気に読んでしまった。